2022/06/16

朝食後、なにかまだ口寂しい気がするようにして本を取り出してみる。
今朝は岩波文庫の志賀直哉の『万暦赤絵』(岩波文庫版)。
表題作はいわば骨董噺。
「東洋古美術」で有名な山中商会が出て来ます。
青蓮院の門前の今は貸し会場になっている建物のもたしかその関連。
骨董に惹きつけられていく自分は、それをコントロールできているように書いている。
コントロールもなにも金が足らないという。
でもちょっと格落ちの「万暦赤絵」ならなんとかなるのではという算段が湧いている。
結局志賀は骨董に魅せられてはまっていく。
はまっているからこそあれが書けるんですな。
大陸に渡って骨董を見るも、結局蒙古犬の子犬を貰って帰る最後のオチは、
本当のことのようですが、いかにもいいわけじみている。
いったいなにを買って帰ったのかしら。
ちなみに彼の遺骨は濱田庄司の焼いた「骨壺」に収められて墓に葬られたものの
盗難に遭い、のちにその遺骨のみが発見されたとか、されなかったとか……。
いずれにしても賊の目当ては壺のほうなんでしょう。
いやはや難儀なことです。

それで、読後感は? と問われると
なんだかなー……とうところですね。

*鴨東散歩



















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