2022/12/31















大晦日である。
低空飛行ながら母がこの日を迎えられたことがまずありがたい。
来年は94歳、一族のなかでも前人未踏の最高齢となった。
あとは、色々あるが、一同大病もせず新年を迎えられそうでありがたい。
来る年が四海静謐となりますように。

2022/12/30

今年手にした本のなかで印象に残った本をもう一冊。
先日写真を掲げた佐原とも関連する。
岩波文庫の『利根川図誌』赤松宗旦著・柳田國男校訂(昭和13年)である。
手擦れがすごく、紙の腰も抜けていて、相当よく読まれたものである。
内容はすべては読めていないが、柳田國男の解題を読んで、その学問の幅広さ奥行きの深さを改めて痛感させられた。
播州生まれの國男が、長兄が医となって移住した利根川沿いの河港の町に身を寄せ、「大いなる好奇心を以て、最初に讀んだ本」というのが『利根川図誌』という江戸時代後期の地誌だった。
柳田のいった「新国学」の意味する所を、私もこれまで近視眼的に解釈していたのではないかと感じた。















*今年の墓掃除納めのあと藪のなかを一走り





2022/12/29

2022年は一台もシンカメラを買わず。珍しいね。そういう時代です。
一番よく使ったのは下の2台。
重い一眼レフはNikonのD300、軽いミラーレスはOLYMPUSのE-PM1。
どっちも十数年前のオールドデジカメ。やれることはあんまり変わらない。
スマホはあるけど、出かける時はいつもカメラと一緒主義な小生、
カメラはフィーリング(暑いか寒いか、元気かしんどいか)で選んでおります。
たぶん来年もカメラは増えない。
うーん、レンズは生える かも知れない……。

来る年も楽しくブラパチできますように。







年末の買い忘れがあってスーパーへ。
結局、また年賀はがきを買い忘れた。ま、いいか。
買い物帰りにブックオフに寄ってマーラーの4番を買った。
好録音と評価の高い一枚。聞き分けられる装置も耳も持ってないけど。
今年のCD買い納めです。

*近所のお宮。迎春準備もできたようだ、あれ?確か鯛は2匹のはずだけど。










*大きな溜め池の水が抜かれて2年。跡地にはどうやら工場ができるらしい。
 ここの土手の茂みは四季折々に楽しんできたのだが……。


2022/12/28

ぐっと冷えたが無風快晴。
老母はまずまずの調子なので朝食後に散髪。いよいよ童(わらべ)顔に゜なってきた。
そのあと自転車に跨がって湖畔を走った。
気温が徐々に上がり、まもなくマフラーは取ってしまった。

大津の町はかつてはこの時期歩くのもむつかしいほどの賑わいだったが、
今はいつもとおなじくほんとうに静かだ。
ただ、湖畔の高層ホテルのまわりでは台湾からの観光客らしく中国語がとびかっている。
家族全員で遊びに来ている様子。このまま日本で年越しだろうか。
コンビニコーヒーで温まってから湖を渡って帰宅。


*和田の浜にて 比良山の雪はこのまま根雪になりそうだ












*旧東海道大津松本あたり 右のお家は塗師屋で大津祭の曳山の修理をされていた。






















*石坂線石山寺行き NHKの電波塔も移転で大津名物「NHK」のネオンもなくなった











*いつもの三井寺下でパチリ 今年の撮り鉄はこれでお仕舞い



2022/12/27

1割引きの日。今日で年内の買い物納め。
灯油や老母の生活用品も買いだめ。
灯油は久しぶりに家族経営のスタンドで入れた。
値段はセルフ店とそうは変わらない。
お母さんが元気に声を出して客を誘導。年の瀬近し。
今朝から『法言』と『荀子』をゆっくり読み始めた。
なるほど荀子はよくできた文章。思想としてもバランスのとれたところ。

寒さとワクチン接種などでご無沙汰している自転車遊び。
そろそろ今年の走り納めを考えなきゃ……。

帰り道の公園にて


































2022/12/26

諸物価高騰の砌か、近所の畑では「野あらし」が頻発しているという。
犯罪はダメだが、こういうの見たら、食欲が湧くわな。
さて、お昼はマルちゃんカレーうどんで温まろう。



2022/12/25

12月25日 世間もそれほど騒がなくなったクリスマスである。
厳しい寒波も今朝は少し緩んだようで、老母の目覚めもおだやかだった。
年末の買い物を済ませてから、近所の公園を散歩して、古いレンズでパチリ。

帰ってからは以前買って寝る前に読んでいた岩波新書、一海知義『陶淵明』を読み終え、
その続きで中国詩人選集の同著『陶淵明』を読み始める。
大酒くらって隠逸するのも、韜晦して詩作するのも命がけ。











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さて、今日は古い写真を……。

1987年ではないかと思う。ところは千葉県の佐原。
2年にわたって佐倉で研修があっての帰り道。
あの時は印旛沼のほとりにあった粗末な市営の国民宿舎に泊まり込んで通ったのだ。

モノクロネガからのスキャン。撮っているカメラはなんだろう。
広角のようなので、たぶんNikonのピカイチではないかな。
https://www.nikon-image.com/enjoy/life/historynikkor/0033/index.html

簡単なスキャナーなのでとろっとしているが、
まるでアッジェのパリのようだなどと悦に入っている。
佐原はすでに伝建地区になっていたが、観光地としてはまだまだ素朴なものだった。




































2022/12/24

今朝は零下2度まで下がった。
朝方押し入れからもう一枚毛布を引っ張り出して布団の上にかけた。
12月でここまで冷えるのはちょっと記憶にない。
10時現在で部屋の中は5度。さすがにストーブを焚いていないとやりきれない。
ワクチン接種後2日を経て、副反応は今のところだが軽く安堵している。
そんなことで外出も憚られるので庭先だけ出てみた。
ワビスケが咲き始めたが可哀想にこの寒さで凍てついている。

チェロ奏者の長谷川陽子さんのCDを数枚買ってみた。
いつも見ているサイトで紹介されていた初期のもの。
1988年、まだ10代の録音。相当に売れたアルバムらしい。
なるほど、聴いていてとても心地よい。
弦楽器のなかでも、チェロとビオラが好きですな
今年はクラシックに目覚めて、大いに楽しませてもらった。





















2022/12/23

5回!目(オミクロン株対応・ファイザー製)のコロナワクチンを打って24時間がたった。
接種した方の腕がやや重いのと、わずかに寒気がある程度で推移している。
今日は厳しい寒波でそれが部屋の中にも及んでくるほどなので外出の気も起こらず、
勉強はちょっと休みにして、この間買って来た本のまとめ読みに励んでいる。

そろそろ今年読んだ本を書いておく時期。
しかし、今年は演習の密度が濃く、正直なところ授業に関係する以外の本はあまり読めなかった。授業で使ったのは宋代の学者王応麟のあらわした『困學紀聞』を清代の考証学者翁元圻が注した「翁注困學紀聞」毎週半丁から1丁分を予習し輪読した。今年はその「諸子」のところだったので老荘や荀子、管子などなど、諸子百家にかかる書物が引かれているのを通して学んだ。毎回必ずあたるのでぼんくら頭には結構キツかったが、書物を読む原体験のようなものが感じられて充実した1年だった。受け入れて下さる先生や学生さんには感謝しかない。

フツーの本は、秋以降に読んだものがやはり印象に残っていて、説話集の『十訓抄』『発心抄』が面白かった。年齢とともにこういう抹香臭いのがすきになってきましたね。
あとはつい先日買ったゴンチャーロフの『日本渡航記』が群を抜いて面白かったし、探検的なものでは長尾雅人の『蒙古ラマ廟記』がためになった。

そんなことより今年のマイブームは「貫禄文庫本」。古本市や書店店頭の均一棚などに50円とか100円で背を陽にさらしているのを掘り出して楽しんでいる。それらは、傍目には「護美」(片仮名で書くのは忍びないので漢字で書く)以外の何物でも無いらしく、食卓では広げることを禁じられている。さて、来年はどんな出会いがありますか。






2022/12/22

夜中の雨は朝には止んで、出られないこともない空模様だが
今日はワクチン接種(5回目)が控えているので、本を読んで静かにしている。
昨日買ってきた岩波文庫のうち『日本渡航記』が面白くて半分位読んでしまった。
岩波文庫に今も入っているし、講談社の学術文庫には別の訳者による新譯もあるのだが
戦前の旧版は天地のサイズが今より大きく読みやすい気がする。

長く読み継がれてきたのにはロシアの著名な作家であるゴンチャーロフの観察力・筆力とともに訳者井上満による名譯によるところが大きいようだ。
列強のアジア、とくに日本に対するまなざしというのは、見下したところと、妙に関心するところが入り交じるのはいつものことだが、プチャーチン率いる艦隊の長崎入港のシーンは作者の素直な感想が現れているようだ、ベアトの写した維新期の長崎の写真そのままの描写だ。
プチャーチンと川路聖謨ら幕府側全権との交渉のようす。とくに儀礼のところがよく描写されている。料理や菓子が次々と出されるのだが、読みながらこちらも味わっている気分になる。こういうプロトコルが日本にきちんと備わっているのを認め、それを理解しようとし、その上で相手を値踏みしている。さすが帝政ロシアというべきで、文化度の高さを感じさせる。当時の幕府高官もなかなかのものである。
それにしても同時期に開国を迫ったアメリカは、長崎ではなく直接江戸湾の喉元に入ってきて抜き身の交渉。昔も今も野蛮な国というべきだろう。


自宅まわりでパチリ
















ワクチン接種を済ませてパチリ 冬ですな


2022/12/21

家を出るときは零下1度。蹴上の坂を下ると正しく0度。
今朝はよく冷えたが、風がないのがありがたい。
百万遍南のコンビニでコーヒーを飲んでから授業。
本年最終講義なり。ちょっと早いけどみなさんに「よいお年を」と挨拶
「春秋に富む」という言葉があるけど、若い人を見ると本当にそうだと思う。

研究室の掃除をしてから外へ出た。
いつものパン屋さんでライ麦パンを仕入れて、北白川御屋敷町を徘徊。
気温はぐんぐん上がって、タケノコ式に上着やマフラーを脱ぎながら歩く。
その後、善行堂で「貫禄」のついた岩波文庫などを購入。
なかなか魅力的な古本の山ができている。
「また来年」と挨拶して帰宅。

*岡崎にて日の出を迎える 東山の朝焼はほれぼれする

















*よく冷えているので飛行機雲がキレイだ
















*赤煉瓦建物の窓 もうヒーターが入っている










*北白川の疏水施設 分水のための施設と思うが、トーチカのようだ














*利根川図志 北越雪譜 日本渡航記 老松堂日本行録 左3冊は戦前版
   なかでも柳田國男の校訂になる利根川図志の手擦れはなかなかのもの。


















*これはオルセー美術館のおみやげかな
 写真はアッジェとブレッソンが20枚 額に入れて楽しもう


2022/12/20

訪問介護の日。
1時間の暇をいただいて墓掃除へ。
好天で、毛糸の帽子を被って歩いていると汗ばむほどだが
霊園の水場はここ数日の冷え込みで、どこも凍てついていた。

看護士さんと交替で帰宅し、寝ている老母の耳穴掃除。
気になってしょうがなかった大物をピンセットで除去。
まことに晴々とした気分。











*こんなカメラで遊戯中 











*ここ数年よくみるアレに似ているな




2022/12/19

老母をデイに送ってから、洗濯、買い物。
10%引きの今日は介護食の買いだめ日だ。
ほかに干物やら牛乳やらも。段ボールに押し込んでそのあと里山徘徊。
外気温は3度なので、ほうっておいても冷蔵庫よりよく冷える。

久しぶりに古道の峠まで歩く。道中独り言をしながら歩いていたらすぐ着いた。
春は傾きながらも使えたベンチがとうとう壊れ、あたりに散らかっている。
雑木もすっかり葉を落としてしまい、陽はよく通るのに寒い。
もう少し早くこればよかったな。

なんとなく風邪の気味なので、ほどほどで帰宅。
薬をのんでしばし布団のなかへ……。
今週は最終授業とコロナワクチン5回目接種があるので用心、用心。












2022/12/18

今朝は外気は1度。乾燥しているせいか、積雪には至らなかった。
しかし比良はもちろん比叡のお山も雪化粧だ。
寒いし風も強いが、クッキリ晴れているので気持ちがよい。
防寒をしっかりして自転車にまたがり一回り。


















*本日の収穫 近所の神社の森で拾いました。ここ数日の風で落果したよう。
 持ち帰って部屋に置いて香りを楽しませて貰っている。

















*この年末から春にかけては荀子と法言の2冊をゆっくり読むことに。あとは仏教説話かな。





2022/12/17

1年前の今時分は風邪を引いて閉じこもっていた。
2年前の今時分は老母の妄想に疲れていた。
3年前の今時分は学生さんとの忘年会を楽しんでいた。
4年前の今時分は洛中を漫歩していた。

来年はどうなる。
というか、どうする。なんだけど、思わぬ事に左右されることが多くなった。
で、今年は?  まだ半月あるのでわかりません。

土曜夕方のNHKドラマ「中村仲藏」面白いね~!!



2022/12/16

以前使っていた携帯電話のメモリに駅の写真が残っていた。
草津線の甲南駅だ。データには2015年1月とある。

木造の駅舎はたしか大正5年の建築だったと記憶している。
今は橋上駅になっているらしいが、それは見ていない。
駅前には日通の倉庫があった。傍らに大きな柳があった。
今はそれもなくなっていることだろう。
そんなわけで草津線の駅舎で旧態を伝えているのはもう柘植駅だけだ。
関西線と草津線のターミナルなのに正直言ってあの体たらく。
柘植がせめて龜山並みなら、草津線も……と思わざるを得ない。
しかし、いつまでもあのままとは限らない。
撮りにゆこうか。

この年は年初から大雪が降った。この冬も厳しいらしい。



好天だが、よく冷えて、部屋の中でも10度を切っている。
昔ながらの土壁の日本家屋なので、冬は乾燥して隙間がひろがる。
目の前、足下の壁の隙間から外の光が透けている。いやはやである。
どおりでストーブを焚いても一向に暖かくならないわけだ。
部屋のなかなのにダウンを着て。ニット帽子をかぶり、毛糸の脚絆?をはいている。
ついでにマスクもしているよ、私は。
近所で新しくできるお家は木造でもみんな壁は石膏ボードと断熱材。
ハウスメーカーときたら、壁も屋根も出来たものを持って来て組むだけ。
味気ないようだが効率はすこぶるよさそうだ。
こうなったら酒粕でも焼いてかじって、内側から温まる以外にない。


*こんな空の色












*先日百万遍で買った戦時中の岩波文庫『明徳記』。足利義満と山名氏の合戦が描かれる。
  もちろん勝ち組視線だが、最後は両方の死者の鎮魂供養と論功行賞。どうみても勝ち目と
  名分のない戦。昭和16年12月15日の初版。日米英開戦直後だ。


2022/12/15

今朝は雪は積もらなかったが、気温は0度に近づいた。
屋外の蛇口のヒーターを巻く季節になった。
老母をデイに送ってから米の買い出し。
近江米はどれも食味に優れるので銘柄は気にしない。

買い物のあと里山を散策した。
日ざしがそそぐのは午前中だけ午後は出歩くのが躊躇われる。時間は有限なのだ。
山は葉が落ちて見通しがぐっと良くなった。落葉がふかふかだ。
汗をかかないように気をつけてゆっくり歩く。
山頂を目指す気は無いので、陽だまりに座って鳥の声に耳を澄ましている。

さて、降りますか。
登りはいいんだが、帰り道は落葉で足を滑らさないように気をつけないと。






































2022/12/14

「冬至十日前」という言葉がある。その解釈はいろいろあるようだが
いまが1年でいちばん夜が長い時期なのは確かで、
今朝などは自宅を出るときは真っ暗だった。
運転しながら手探りでドビッシーの交響詩「海」のCDをカーステレオにセット。
今朝は逢坂山にさしかかったところでちょうど外も曲も夜明けのシーンになった。
それだけでうれしくなった。

昨夜は雪起こしのような風が吹いたが、早朝の外気は6度あり、予報よりはあたたか。
日中はセーターだけでも歩けそうだったが、午後からは冷えはじめ、今年最後の演習を終えての帰り道は3度まで下がり、こわごわワイパーをかけたらバリバリと音を立てて凍り付いた。

また風が強くなってきた。明日起きたら外は雪ではないか?

*昼食後暖かくして疏水縁を散歩。このころは暖かかった。
















*悩ましい階段
















*素敵なおうち