2023/03/05

土井善晴さん

昨日の毎日新聞読書欄。なつかしい一冊に、土井善晴さん(料理研究家)が、今江祥智の『ぼんぼん』を取り上げ、自分の体験に重ねて味わいのある一文を寄せておられた。
父土井勝さんの事業の後始末など、若い時にはなかなか苦労をされたようだ。
当初善治さんがテレビに登場したころは、いかにもお父さんゆづりの雰囲気、口調を守っていて、正直しっくりこなかった。それがだんだん自分のペースをつかんでから、お父さんの影を脱して人気が出たように感じる。手順として、まず「二世」として世間に認知されることが必要だったのかも知れない。
ただ、「一汁一菜」を標榜する土井さんの家庭料理は、すこしストイックすぎて、それで満足できるやろか、と思うこともある。毎日三度三度食べる家庭料理は、水みたいなものなのかもしれないが……。

テレビに出るような料理研究家というのはタレントでもあって、あさイチに時折登場する平野レミさんなどはほとんど漫才だが、天性のものらしく嫌みがない、元気を出させる効果はたしかにある。料理ショーだと思って見ている。
真面目に料理を作って、はいどうぞというのでは人気は出ない。




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