目が覚めたのが5時前。外はまだ真っ暗だ。
老母の様子をうかがってから、もう寝られないので、コーヒーとトーストで朝食。
老母の様子をうかがってから、もう寝られないので、コーヒーとトーストで朝食。
ストーブで暖を取りながら、本箱から引っ張り出したのは、井伏鱒二の『川釣り』だ。
今は岩波文庫で読めるが、小生所有のものは岩波新書。2年前の古本まつりで入手した。
昭和27年6月の初刷である。旧かな、旧漢字なのがよい。
昭和27年6月の初刷である。旧かな、旧漢字なのがよい。
しかし新書のイメージと井伏の作品がなんとなく結びつかない。
現役作家であり岩波文庫に入れづらかったのか?
川釣りの科学でも書いてあるのかと思った人もあるかも知れない。
随筆、紀行文、小説、まぁすべて小説だ。
随筆、紀行文、小説、まぁすべて小説だ。
まさに巻をおく能わず、あたりが明るくなる頃には読み終わってしまった。
もう十分古典というべき風趣がある。
もう十分古典というべき風趣がある。
鱒二も百閒も買ったり売ったりを繰り返してきた。同じ中国地方の素封家の出身だが
百閒は暗く鱒二は一見明るい作品が多いようだ。
それは井伏が人間の滑稽さをよりうまく描いているからだろうか。
年代相応にかなりヤケ、ヤレ、紙の劣化があるが気にならない。
小生が「いい具合に時代がついている」といって食卓の上で玩んでいると家人は露骨に嫌な顔をする。書店のラベル痕が少なくとも2枚。値札の貼付痕が1箇所。さらに鉛筆書きの値づけ。私の手許にくるまでに相当に「世渡り」をしている。それがまた好ましい。
0 件のコメント:
コメントを投稿