2023/10/09

『近世畸人傳』と『文士の風貌』

温度変化についていけなくて、軽い風邪になったようです。葛根湯で整えねば。
天気ももう一つなので、静かに部屋で『近世畸人傳』をよむことに。
作者伴蒿蹊は八幡商人で京師に棲んだので、おのづと京・近江の人物がおおく採られています。小生八幡にも住居したことがあるので、記念にと和歌を記した軸を一幅持っております。
和漢の故事もふまえて、味わい深い。三熊花顚の挿絵も楽しい。
でも勉強しないと読めません。
手許には岩波文庫だけでなく、東洋文庫版もあり、これには續近世畸人傳も収められています。でもやはり正篇には及ばないようです。

ところで、これを読みながら、先日読んだ井伏鱒二の『文士の風貌』を手に取って、なにやら相通ずるものを感じました。そしてそれに収められた小品で、森鷗外の『伊澤蘭軒』をめぐる井伏が犯したある「事件」に言及した「挿話」をも思い出しました。『文士の風貌』も鷗外の史傳ものもやはりある種の畸人傳のように思うのです。






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