2022/01/28

湖北山村の記憶

好天。墓掃除の帰り道に美術館へ寄りました。
お目当ては野口謙蔵展でしたが、ポケットに入れておいたはずの千円札が見当たらず
しかたなく無料展示へ。ちょうど開催されていたのが「写真展 琵琶湖源流の美と暮らし」。
「琵琶湖源流」という表現は少し? ですが、確かに源流の一つ、湖北高時川の上流域にかつて存在した7集落の暮らしと離村の記録です。


*展示資料から
















作者の吉田一郎さんは長浜市の助役まで務められましたが、傍ら湖北の暮らしを丹念に撮り続けられたことで知られます。今回展示されている対象地域は戦後計画された丹生川ダムによって水没することになった所で、90年代半ばまでに完全離村していますが、その後の県政の変化でダム建設は頓挫……しています。

小生も最終離村にあたって暮らしの伝承を記録する仕事で何度か入り、このときは作者とご一緒したはず。昭和天皇が崩御されたあの朝は、地元で行事があり、前夜から仮眠していた車の中で迎えています。一帯の山にも登っているので、とても懐かしく拝見。ご本人は来客中で、奥様が相手をして下さり話が弾みました。

数え切れないほどムラに入ってなじんでいないと撮れない写真が多く。執念の「記録」と感じ入りました。花や鳥、祭りや鉄を撮るのも素晴らしいけれど、「今」を撮るのも大切ですね。本も出版されるようです。

*以前載せたかも知れませんが小生が撮った写真を置いておきます。「撮れただけ」の写真です。上記7集落の1つ滋賀県伊香郡余呉町田戸(当時)、1989年頃 そんな昔のことではない。

















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