2022/12/22

夜中の雨は朝には止んで、出られないこともない空模様だが
今日はワクチン接種(5回目)が控えているので、本を読んで静かにしている。
昨日買ってきた岩波文庫のうち『日本渡航記』が面白くて半分位読んでしまった。
岩波文庫に今も入っているし、講談社の学術文庫には別の訳者による新譯もあるのだが
戦前の旧版は天地のサイズが今より大きく読みやすい気がする。

長く読み継がれてきたのにはロシアの著名な作家であるゴンチャーロフの観察力・筆力とともに訳者井上満による名譯によるところが大きいようだ。
列強のアジア、とくに日本に対するまなざしというのは、見下したところと、妙に関心するところが入り交じるのはいつものことだが、プチャーチン率いる艦隊の長崎入港のシーンは作者の素直な感想が現れているようだ、ベアトの写した維新期の長崎の写真そのままの描写だ。
プチャーチンと川路聖謨ら幕府側全権との交渉のようす。とくに儀礼のところがよく描写されている。料理や菓子が次々と出されるのだが、読みながらこちらも味わっている気分になる。こういうプロトコルが日本にきちんと備わっているのを認め、それを理解しようとし、その上で相手を値踏みしている。さすが帝政ロシアというべきで、文化度の高さを感じさせる。当時の幕府高官もなかなかのものである。
それにしても同時期に開国を迫ったアメリカは、長崎ではなく直接江戸湾の喉元に入ってきて抜き身の交渉。昔も今も野蛮な国というべきだろう。


自宅まわりでパチリ
















ワクチン接種を済ませてパチリ 冬ですな


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