ひょんなことから、古いカメラをしかもわずか数コインで手に入れ、梅雨時の無聊をなぐさめております。
ドイツ ツァイス・イコン社製の6×6判スプリングカメラ「イコンタ 521/16」です。戦前の製品。シャッター・絞り、巻き上げは動きますが、レンズは曇っていていわゆるジャンクに類します。修理する気もありません。たとえジャンクでなくても、120ロールフィルムの利用が現実的でない現在においては、他人からみればガラクタ、よくいえばビンテージな置物にすぎません。
でもそおっと前蓋をあけて撮影状態にセットするところから始まる「お作法」は、実用になろうとなるまいと、カメラ好きにはこたえられません。蛇腹カメラというのは若い時は古くさいと疎んじていましたが、今ではこれがかえって魅力ですね。小生が初めてカメラなるものを手にしたのは、戦後父親が買ったスプリングカメラでした。もちろん国産の安物。ZEISSなんていうのは夢のまた夢。名前も知らかったでしょう。しかもすでに蛇腹は破けて子どものオモチャになっておりましたが、古い両親のアルバムの幾枚かはそれで撮ったに違いありません。
距離計はないので目測。簡易なファインダーしかついていませんが、山登りのお供なら十分な性能で、小生の若いときはまだ現役で使っている人もおりました。レンズは銘玉の誉れ高いテッサーの7.5センチ F3.5 これが廉価版のノバー付だったらワクワク感は半減していたでしょう。レンズを分解するのは小生には難易度が高いので、前・後の玉だけアルコールで拭い、バルブでシャッターを開けてみると、写る程度にはきれいになりました。でもたぶんオモチャのまま退蔵するでしょう。
※テッサーについては→https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%83%E3%82%B5%E3%83%BC
過去に使ったカメラとしては、120判ではローライフレックスT。 35mm判だとローライ35、ぐっと降って京セラのスリムTあたりにテッサーがついていました。スリムTはよく写りましたが、レンズもカメラも日本製で優秀だけど、カールツァイスのレンズといってもまぁステッカーチューンのようなもの。そんなわけで「本場のテッサー」としてはほぼ30年ぶりの所有となったのもちょっとうれしい。
それについては、またいずれ。
*80年ぐらい昔の写真機ですが、問題なく動いてくれました
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